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大規模修繕工事について

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大規模修繕工事とは?

おおよそ10~15年に一度「足場をかけて」行なう「外壁塗装」「屋上・廊下階段・バルコニー等の防水」「躯体コンクリート補修」「各所の鉄部塗装」「サッシ廻りや外壁のシーリングの打ち替え」などを行う大規模な修繕工事のことです。(中でも防水工事は室内への水漏れを防ぎ、コンクリートの強度を保つ上でも重要な項目の一つです。)

外壁塗装工事 風雨や紫外線により劣化した外壁を新たに塗り替え新しい塗膜を作ることにより、建物の美観と躯体の保護を図ります。
防水工事 防水層が劣化し、建物構造内に水が浸入してしまうと、鉄筋などの構造部材が錆びてしまったり、室内への水漏れが発生しますので早目早目に新たな防水工事を行うことが重要となります。
また、最近では、廊下階段・バルコニー床には長尺塩ビシートを貼ることにより、防水効果だけではなく美観も向上させることができるようになりました。
躯体コンクリートの
補修工事(下地補修)
経年劣化により外壁や天井・床など、建物のあらゆる場所に「ひび割れ」等が発生してきます。これらを放置してしまうと、コンクリート内部へ雨水が浸入し、鉄筋等の構造部材が錆び、最終的にはコンクリートが爆裂してしまいます。塗装や防水工事における下地補修は最終的に隠れて見えなくなってしまうため、適切な作業過程を踏むことが大切です。
鉄部塗装工事 各所の鉄部に関しては本来5~6年に1度は塗り替えを行うことが望ましいです。特に雨が直接あたる場所に関しては屋根のある場所に比べて錆びの進行がとても早いので、こまめに塗り替えを行っていけば大規模改修工事での工事費も最小限で済むはずです。
シーリング工事 外壁やサッシ廻りのシーリング(ゴム状充填材)も風雨や紫外線により劣化してしまいます。古いシーリングはすべて撤去し、新たにシーリングを行うことにより内部への雨水の侵入を防ぎ、建物の劣化を防ぎます。

建物の劣化とは?

こんな症状を見かけたら要注意です。

白亜化(チョーキング) 白亜化(チョーキング)紫外線や風雨の影響によって起こる現象で、塗装面を手で触ると写真のように白い粉が手に付着する状態を言います。付着量などで劣化の程度がわかります。
ひび割れ(クラック) ひび割れ(クラック)コンクリートの収縮や地震等の外力により起こる現象です。ひび割れを放置しておくとコンクリート内への雨水の浸入を引き起こします。
エフロレッセンスの流出 エフロレッセンスの流出外壁に発生したひび割れからコンクリート内部に雨水が浸入し、コンクリートの石灰分が外部に流れ出す現象です。コンクリートの中性化を早め、内部の鉄筋を腐食させ、コンクリートの「爆裂」を引き起こします。
コンクリートの爆裂 コンクリートの爆裂コンクリート内部に雨水が浸入し、鉄筋が錆びて膨張しコンクリートを押し出す現象です。落下事故にもつながることがありますので注意が必要です。
塗膜の剥離 塗膜の剥離ひび割れなどから塗膜内側に雨水が浸入することにより起こる現象です。放置しておくとさらに雨水が浸入し、塗膜の剥離が拡大して行きます。コンクリート内部へ水を侵入させる原因にもなります。
防水シートの膨れ 防水シートの膨れ防水シート内に進入した空気が熱により膨張し、防水シートを押し上げる現象です。放置しておくと、さらに膨れが進行しシートが破れてしまうことがあります。
シーリングのひび割れ シーリングのひび割れ紫外線や風雨の影響によりシーリング材が硬くなり、ひび割れが入る現象です。放置しておくとコンクリート内部へ雨水を侵入させる原因になります。

修繕時期の目安は?

皆さんの建物は大丈夫ですか?

  • 建物の外壁に「ひび割れ」や「はがれ」「浮き」がある。
  • 壁から「白い液体」が流れだしている。
  • 「鉄筋が露出」し「錆」が出ている。
  • 手摺りの根元がぐらついている。
  • バルコニーや廊下・階段床のコンクリートを水が通り抜け、漏水している。
  • 見た目は大丈夫そうだが、竣工から長年経っている。

修繕時期のおおよその目安

外壁 外壁の塗装 10~15年
屋上 防水の改善 10~15年
バルコニー 防水の改善 10~15年
廊下、階段 防水の改善 10~15年
鉄部 各所の鉄製部の塗装 4~6年
給配水管 給排水管の取替 25~30年
エレベーター エレベーターの取替 30年
照明器具 屋外共用灯の取替 15年
屋内共用灯の取替 20年

調査により適切な修繕時期を決定

修繕時期が遅れることによって年々劣化が進み、過大な修繕費が必要になることがあります。
専門家による「適切な修繕時期の判定」が大切になります。

工事の進め方3方式

施工業者直接発注方式 管理組合と施工業者で工事を進めていく方法です。基本的には施工業者にすべて任せてしまう事となるので、「どのような仕様、工事内容なのか」「仕様通りの工事が行われているのか」「工事内容に対して見積金額が適正(妥当)なのか」チェックする第三者がいないと金額ありきの「安かろう悪かろう」の工事になってしまう場合があります。
管理会社主導方式 管理組合と管理会社で工事を進めていく方法です。管理会社が管理組合のパートナーとなり計画を進める場合と、管理会社が施工業者として工事を請け負う場合があり、前者では管理会社の推薦する施工業者のみで競争入札を行い始めから決まった施工業者に工事を請け負わせ、後者では競争入札がないのを良い事に高額な工事契約を迫る場合があります。
設計監理方式 管理組合が建築の専門家(一級建築士)をパートナーに選び進めていく方法で、建築士がたてた工事内容を管理組合と検討し、管理組合が適正な競争入札(適正な競争入札を行う事で工事金額を抑える事も可能)で決定した施工業者の仕事を「第三者として厳しくチェック」できるため高品質の工事が約束でき、現在主流になってきた方法です。

工事業者とは?

ゼネコン(大手建設会社) ゼネコンは新築工事や公共の工事に携わる大手建設会社で、工事に関する知識や技術は高いので安心感はありますが、下請けの業者に安く工事を丸投げされてしまうと工事品質が悪くなる可能性があります。
修繕専門業者 修繕専門業者は修繕工事のみに特化しており、ゼネコンに比べ工事費が比較的安いことがあります。(但し建物の規模による)実績豊富な会社もありますが、工事を依頼する場合重要になってくるのが元請の実績で、いくら実績が多くても下請けしかしていない会社は信用度に心配な点があります。

大規模修繕工事を
進める上での5つのポイント

修繕委員会を立ち上げる 大規模修繕工事を行う時に区分所有者の代表により作られる委員会です。専門的で作業量も多いため、理事会の諮問機関として作られることが多いようです。メンバー選出方法は立候補や推薦などがあり建築知識がなくてもメンバーになることは可能です。
修繕工事の進め方を選定する 施工業者に直接発注するのか、管理会社に依頼するのか、設計事務所と設計監理方式で進めるのか管理組合にて決定する。
修繕の必要性を明確にする
  • 建物調査を行い建物の「劣化状況」「緊急性」を把握する。
  • 現在発生している問題点があれば取り上げる。
組合員の合意形成を図る 大規模修繕工事の決済を総会で行うことは勿論ですが、それ以外の時にでも細めに情報を公開し、必要に応じて説明会を開催することも大切です。
工事費用を確保する 修繕積立金で賄えればよいのですが、積立金が不足する場合は、「一時金徴収」や「借り入れ」等を検討しなければならない場合もあります。また長期的に積立金の見直しを図ることも大切です。